2010.07.23

ブログ引っ越しのお知らせ

人机交互論の筆者の樽本です。いつもブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

唐突ですが、この度ブログを移転することにしました。移転先のURLは以下のとおりです。

既にコンテンツの移動も完了しており、今後は上記URLにて運用を継続いたします。

今後は新しいURLで引き続きご愛読いただけますようよろしくお願いいたします。

|

2010.07.08

日本のユーザビリティ・カンパニー

NPO人間中心設計推進機構が『人間中心設計(HCD)専門家』の認定制度を4月に始めました。その第一期認定者の一覧(119人中の115人分)が公開されています。

ちょっと強引な分析かもしれませんが、上記の認定者を企業グループ単位にまとめてみました。同じ企業グループ内に複数(2人以上)の認定者が在籍しているのは以下のとおりです。

U'eyes Design20
富士通13
日立13
IBM9
沖電気5
NTT4
ソシオメディア4
コンセント3
イード3
ソニー3
リコー2
ビクター2
USOL(ユニシス)2

ベスト3は「U'eyes Design」「富士通」「日立」です。「U'eyes Design」はダントツの1位と言えそうです。

SIベンダー系という視点で見ると「富士通」「日立」「IBM」、そして「沖電気」「NTT」「USOL」と続きます。ただ企業規模(総従業員数)から考えると、必ずしも「ユーザビリティに力を入れている」企業であるとは言い難いかもしれません。「NEC」が1人だけというのは予想外でした。

コンサルティング系では「U'eyes Design」がダントツで、「ソシオメディア」「イード」が続きます。妥当な印象を受けましたが、業界の老舗である「ヒューマンインタフェース」の名前が見当たらないのは残念です。

ウェブ系では「コンセント」が孤軍奮闘しています。「ヤフー」「サイバーエージェント」などにそれぞれ1人ずつ認定者がいますが、本来、この業界はUX系の人材が豊富なので、来年以降ぜひ認定を受けて欲しいですね。

電機メーカー系は「ソニー」「リコー」「ビクター」に2~3人ずつ在籍している程度です。「富士ゼロックス」「キヤノン」「オリンパス」「カシオ」「東芝」「クラリオン」はそれぞれ1人ずつです。家電やOAは日本のお家芸なので、もっと認定者がいてもおかしくないのですが。。。

大学(専門学校含む)関係は合計しても6人だけでした。「ユーザビリティを教える人」がそもそも少ないのですね。

なお、日本人間工学会の『人間工学専門家』の中にもユーザインターフェイスやユーザビリティの分野で認定を受けている人が数十名います。これらの人たちも、HCD専門家と同様の活動を各組織内で行っています。

|

2010.06.01

『HCD-Netフォーラム2010』の見どころ

NPO人間中心設計推進機構(HCD-Net)の年次フォーラムが開催されます。

◆HCD-Netフォーラム2010「User Experienceが切り開くHCDの未来」
http://www.hcdnet.org/event/hcd-net2010user_experiencehcd.php

今回の見どころを簡単に紹介しておきます。

「User Experienceとサービス原則 」※基調講演


講演者の北島宗雄氏は認知科学の研究者です。ユーザビリティをテーマにした研究も多い人で、私にとっては、初期に読んだ名著『インタラクティブシステムデザイン』の監訳者としてのイメージが強いです。近年は「サービス工学」に取り組んでおられるようです。

「ユーザーエクスペリエンス(UX)から実利用経験(RUX)へ」


今回のセッションの中では最もアカデミックな雰囲気が漂っています。「ISO」「長期的ユーザビリティ」「実利用経験の測定」etc...ユーザビリティ界の論客2人(黒須先生と安藤先生)の白熱の"バトル"が楽しみです。

「アドバンストデザインにおけるUXアプローチ」


4月のHCD-Netサロンで好評を博した講師陣が再登壇します。今回は「自転車」と「東京」をテーマに"公開ブレインストーミング"を行うそうです。IDEO風のデザイン思考のプロセスを間近に体験できそうです。

「アジャイルUXの潮流」


私と川口さんで担当します。HCD-Netのイベントというコンテキストに合わせて、まず川口さんからユーザビリティ系の実務者が知っておくべきアジャイルの基礎をレクチャーしてもらいます。そのうえで、アジャイルとUCDをどう組み合わせて実務に応用すればよいのかを議論します。

いずれのセッションも興味深いので、特にパラレルセッションはどれを受講すればよいか迷いそうですね。

|

2010.05.25

プロフェッションの条件

私がまだ大学院の学生だった頃に、レポート作成のためにググっていて、たまたま出会った条文があります。それが『プロフェッション(専門職)の条件』です。当時、私はIT分野の専門家への職業転換を目指して勉強していたので「プロとは何か」の本質を鋭くついているこのリストを見て強く感銘を受けました。

その条件とは、、、


  1. 知的な職業であり、当該職業に従事している者が適切な選択を実施し、かつ判断を下す際に重大な責任を負っていること、
  2. 特定分野に関する高度な体系的知識を所持し、かつ長期間の教育訓練を受けていること、
  3. 体系的知識が現場で応用できうるように実践的な性格をもっていること、
  4. 特別な技術あるいは技能を擁するだけでなく、知識だけで事態に対処できない場合には獲得した技能によって物事に対処できること、
  5. 専門職団体(professional association)が組織化されており、専門職団体がプロフェッショナル教育の内容および専門職に参入する際の資格の認定などを規制していること、
  6. 当該職業に携わっている人物に公共への奉仕(public service)志向があること、

私は特に4番目と6番目の項目が気に入っています。つまり、本当のプロとは、自分の有する知識を超える事態に出会っても"なんとか"対処ができて、個人の利益よりも「公共」の利益を意識している人たちということになります。

この条件の前提となっている専門職とは、聖職者、医師、弁護士といった非常に公的な職業なのですが、現代の私たちも「ITプロフェッショナル」や「ユーザビリティの専門家」を名乗るのであれば、やはり上記6つの特質を(なるべく)備えていたいものですね。

【参考情報】

◆Works No.39 p40-43: アメリカの専門職を支えるアクレディテーション・システム
http://www.works-i.com/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=129&item_no=1&page_id=17&block_id=302

|

2010.05.11

世界を変えるデザイン展

非常に興味深いイベントが今週末からミッドタウン(東京・六本木)で開催されます。
テーマは「BOP(ボトム・オブ・ピラミッド)」です。

◆世界を変えるデザイン展(注意:Full Flashページです。)
http://exhibition.bop-design.com/

この展示と平行して開催されるカンファレンスとワークショップがかなり良さそうです。(料金も良心的)

◆カンファレンス&ワークショップ
http://exhibition.bop-design.com/event/

○カンファレンス(各1日券:8000円 ※同時通訳付き)
5/15(土)Understanding"EMERGING MARKET"
5/16(日)Design Innovation

○ワークショップ(各3000~5000円 ※同日通訳付き)
5/17(月)「社会・経済・環境に相互利益を生み出すデザインとは?」
5/18(火)「デザイン思考が生み出すイノベーションとは?」
5/22(土)「南北問題を考え、世界の構造を体感してみるワークショップ」
6/5(土)「形にしないワークショップ ~若者の防災意識啓発、防災力向上のためにできること~」
5/29(土)「現地の生活環境に配慮したデザイン開発」
5/30(日)「Life~日常の生活から感じる世界とのつながり~」
6/6(日)「日本が世界にできること・Part1 ~残り90%の人々が本当に日本に求めているデザインと技術~」
6/12(土)「日本が世界にできること・Part2  ~日本企業が仕掛けるエマージング・マーケットの開拓戦略~」
6/13(日)「デザインはどこまで世界を変えられるか?」

私もカンファレンスとワークショップをいくつか受講するつもりです。
もし会場で見かけたら、気軽に声をかけてください。

|

«書評: Rocket Surgery Made Easy