SEOとユーザビリティ
SEO(検索エンジン最適化)とは、ウェブサイトのサイト構造やページ構成などをチューニングして、グーグルなどの検索エンジンで上位に表示されやすいようにする技術です。ウェブユーザの検索エンジン指向の高まりとともに、日本でもここ1~2年で急速にSEOの有効性が認識されるようになりました。
このSEOに関する展示会「Search Engine Strategies Conference & Expo 2004 Japan」が4月20日、21日に開催されました。開幕基調講演では、米Googleの技術担当副社長が「東京研究開発センター」を設立することを発表して話題になりました。また、スポンサー企業が提供した無料のミニセミナーも盛況だったようです。
このミニセミナーの中で、アイオイクスの滝日氏が「グーグル以前とグーグル以降」という視点を紹介していました。
確かに、昔のウェブマスターの関心はヤフーディレクトリなどに“サイト”を登録することでした。ところがグーグルの登場によって、ユーザはサイト内のコンテンツページに直接アクセスできるようになりました。そのため、ウェブマスターには個々のページをグーグルに認識させて、かつ検索結果の上位に表示させるという戦略が要求されるようになっています。
SEOとユーザビリティの両立
他のオンライン広告技術と異なり、SEOの本質は“ユーザの求めている情報”を提供することです。ユーザの利益という共通したベクトルがあるので、ユーザビリティとSEOは相性がいいのです。実際、SEO対策を実施すると、ユーザビリティも改善する場合が多いです。また、ROI(投資収益率)を高める補完的な関係にもあります。
ECサイトが適切にSEOを実施すれば来店客数を増やせるでしょう。しかし、その来店客がサイト内で商品情報を十分に入手できなかったり、購入プロセスや会員登録を完了できなかったとしたら実際の売上にはつながりません。それどころか、「買いたいのに買えなかった」というクレームやネガティブな口コミを生んでしまいます。
一方、ユーザビリティはユーザのタスク達成を保証します。例えば、購入プロセスを評価~改善してショッピングカートの放棄率を低減できます。ECサイトが優れたユーザ体験を提供するためには、ユーザビリティは非常に重要な要素となります。
このようにオンラインビジネスでは、SEOだけ、ユーザビリティだけでは、満足のいく結果は得られません。SEOとユーザビリティが両立できて、初めて収益につながるのです。
データに基づいたマネジメント
SEOとユーザビリティを平行して行うことによって、データに基づいたユーザビリティ活動のマネジメントが可能になるというメリットもあります。
ユーザテストを設計する時に、意外と手間取るのがタスクの決定です。ユーザテストでは想定される全てのタスクを課すことは不可能ですので、タスクを絞り込まなければなりません。特にウェブサイトはターゲットユーザ層が広く、多くの機能・コンテンツを提供している場合が多いので、その中から“最も重要”なタスクを決めるとなると、設計チームの意見が分かれてしまうのです。
SEOでは、通常、コンサルティングの第1ステップとしてサーバの「アクセスログ解析」を行い、ユーザのサイト内行動を分析します。利用頻度の高いコンテンツや離脱率の高い箇所が明らかになるので、合理的にタスクを決定できます。
さらに、効果測定にも利用できます。アクセスログ解析では、一定期間内の全てのユーザのデータを分析するので、改善前と改善後のデータを比較すれば、ユーザビリティの改善度合いが明白になります。
もちろん、ユーザビリティ活動のためだけにアクセスログ解析を行うこともできますが、SEOと併用した方が投資効率がいいのは明らかでしょう。
【参考情報】
(1)SEOとは
http://www.seo-web.com/
SEOの基本がよくまとまって紹介されています。
(2)SEMリサーチ
http://www.sem-research.jp/sem/
渡辺隆広氏のウェブログです。情報満載ですが、書籍執筆のために立ち上げたウェブログなので、5月をもって終了する可能性があります。興味のある方はお早めに。
(3)SEOルートディレクトリ
http://jeff.ecjapan.jp/
Jeff Root氏が中心となって執筆しているウェブログです。米国のスペシャリストが日本語で情報発信してくれているのは助かります。
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