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2010.05.25

プロフェッションの条件

私がまだ大学院の学生だった頃に、レポート作成のためにググっていて、たまたま出会った条文があります。それが『プロフェッション(専門職)の条件』です。当時、私はIT分野の専門家への職業転換を目指して勉強していたので「プロとは何か」の本質を鋭くついているこのリストを見て強く感銘を受けました。

その条件とは、、、


  1. 知的な職業であり、当該職業に従事している者が適切な選択を実施し、かつ判断を下す際に重大な責任を負っていること、
  2. 特定分野に関する高度な体系的知識を所持し、かつ長期間の教育訓練を受けていること、
  3. 体系的知識が現場で応用できうるように実践的な性格をもっていること、
  4. 特別な技術あるいは技能を擁するだけでなく、知識だけで事態に対処できない場合には獲得した技能によって物事に対処できること、
  5. 専門職団体(professional association)が組織化されており、専門職団体がプロフェッショナル教育の内容および専門職に参入する際の資格の認定などを規制していること、
  6. 当該職業に携わっている人物に公共への奉仕(public service)志向があること、

私は特に4番目と6番目の項目が気に入っています。つまり、本当のプロとは、自分の有する知識を超える事態に出会っても"なんとか"対処ができて、個人の利益よりも「公共」の利益を意識している人たちということになります。

この条件の前提となっている専門職とは、聖職者、医師、弁護士といった非常に公的な職業なのですが、現代の私たちも「ITプロフェッショナル」や「ユーザビリティの専門家」を名乗るのであれば、やはり上記6つの特質を(なるべく)備えていたいものですね。

【参考情報】

◆Works No.39 p40-43: アメリカの専門職を支えるアクレディテーション・システム
http://www.works-i.com/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=129&item_no=1&page_id=17&block_id=302

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2010.05.11

世界を変えるデザイン展

非常に興味深いイベントが今週末からミッドタウン(東京・六本木)で開催されます。
テーマは「BOP(ボトム・オブ・ピラミッド)」です。

◆世界を変えるデザイン展(注意:Full Flashページです。)
http://exhibition.bop-design.com/

この展示と平行して開催されるカンファレンスとワークショップがかなり良さそうです。(料金も良心的)

◆カンファレンス&ワークショップ
http://exhibition.bop-design.com/event/

○カンファレンス(各1日券:8000円 ※同時通訳付き)
5/15(土)Understanding"EMERGING MARKET"
5/16(日)Design Innovation

○ワークショップ(各3000~5000円 ※同日通訳付き)
5/17(月)「社会・経済・環境に相互利益を生み出すデザインとは?」
5/18(火)「デザイン思考が生み出すイノベーションとは?」
5/22(土)「南北問題を考え、世界の構造を体感してみるワークショップ」
6/5(土)「形にしないワークショップ ~若者の防災意識啓発、防災力向上のためにできること~」
5/29(土)「現地の生活環境に配慮したデザイン開発」
5/30(日)「Life~日常の生活から感じる世界とのつながり~」
6/6(日)「日本が世界にできること・Part1 ~残り90%の人々が本当に日本に求めているデザインと技術~」
6/12(土)「日本が世界にできること・Part2  ~日本企業が仕掛けるエマージング・マーケットの開拓戦略~」
6/13(日)「デザインはどこまで世界を変えられるか?」

私もカンファレンスとワークショップをいくつか受講するつもりです。
もし会場で見かけたら、気軽に声をかけてください。

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2010.05.09

書評: Rocket Surgery Made Easy

ユーザビリティ界の人気者スティーブ・クルーグの新作です。「ロケット手術」とは"すごく難しい(と誤解されている)コト"を皮肉った彼の造語で、要するにユーザビリティテストを示しています。つまり、タイトルを意訳すれば「お手軽ユーザビリティテスト・ガイドブック」といった感じでしょう。

◆Rocket Surgery Made Easy: The Do-It-Yourself Guide to Finding and Fixing Usability Problems
http://www.amazon.co.jp/dp/0321657292

一般に「ユーザビリティの大御所(例えばヤコブ・ニールセンやアラン・クーパー)が書いた本はユーザブルではない(読みづらい)」という矛盾を抱えていることが多いのですが、彼の著作の読みやすさは1作目の「Don't make me think!(邦題:ウェブユーザビリティの法則)」から折り紙付きです。今回も軽妙な語り口で、かつ簡潔にそのノウハウを紹介しています。

彼の主張は3点に集約できると思います。


  • 定期的(月イチ)に小規模(被験者3人)なテストを繰り返そう!
  • 関係者にテストを見学してもらおう!
  • 問題解決では最善を"尽くさない"ようにしよう!

ちょっと"受け"ねらいの表現を多用している感もありますが、内容的には私たち実務家から見ても納得できるものです。特に、関係者に見学してもらうことの重要性と、そのためのノウハウ("おやつ"をケチらないとか)は参考になりました。また、ホームページ(サイトのトップページ)の重要性を改めて指摘している点は、ちょっと意外であり、でも納得のいくものでした。

ただ、全般的には内容は非常にオーソドックスです。ユーザビリティの実務家にとっては新しく得られる知見はほとんどないと思います。それは逆に言えば、初心者にとっては、きっちりポイントを押さえつつ手軽に読める優れた入門書であると言えるでしょう。

残念ながら現時点では翻訳本は出ていないようですが、英語が得意でなくても、辞書を引きながら4~5時間で読了できると思います。それは物理的に量が少ない(実質110ページ程度で文字も大きい)からです。また箇条書きや強調表示を適切に使用してくれているので要点を把握しやすいのです。

「予算も経験もないけれど、何とかユーザビリティテストをしてみたい!」――という場合は、この本を片手にちょっと試行錯誤してみる価値はあると思います。

【参考情報】

◆Advanced Common Sense(スティーブ・クルーグのサイト):
http://www.sensible.com/

◆Usability Demo(ユーザテストのデモ映像):
http://www.peachpit.com/promotions/promotion.aspx?promo=137602

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